レポート

竹内秀樹 竹内秀樹・太陽光発電システム研究所(TSS)が発表したレポートを紹介します。

2007年:太陽電池産業の市場予想 ~巨大化と調整への道~

07年の太陽電池市場はシステムベースで1兆7000億円、08年は2兆3300億円と予想する。

短期的には、フィード・イン・タリフなどの太陽光発電の導入促進策、京都議定書で定められた第一次約束期間(2008~12年)への対応が追い風となろう。

地球温暖化対策をその目的とする京都議定書は、97年の採択の後、ロシアの加盟により05年2月に発効している。

開発の加速による太陽電池のコストパフォーマンスの向上、太陽光発電システムの経済的有用性が高まってくることなどから、相当の値下がりはあるものの、2010年の市場規模は3兆6600億円、2015年は9兆2000億円、2020年は14兆3000億円と市場は高成長を持続しよう。

09年の市場成長率は前年比16パーセントに留まると予想する。

理由はスペイン市場である。

スペインは産業界の反対にもかかわらず、09年のフィード・イン・タリフによる買取上限を300~500メガワットとする模様で、08年の市場規模700~1000メガワットから市場は半減する見通しである。

太陽電池に係る詳細政策は9月に決定される予定である。

短期的に太陽電池市場の最大のリスクとなろう。